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【新潟市民病院】女性研修医自殺問題|僕が見て来た医者のリアル

こんにちは。現役介護士のままる@mamaru0911です。

こんな悲しいニュースがありました。

<新潟市民病院>「過労が原因」女性研修医自殺、労災認定へ (毎日新聞) - Yahoo!ニュース

新潟の市民病院に務める研修医の女性が、昨年自殺したことが労災認定されたというニュースです。

彼女の残業時間は、最多で251時間にも及ぶという報道でした。

彼女は、看護助手をしながら勉強し新潟大医学部に入学して、医師になったという努力の人。

なぜそのような人が、自らの命を絶たなくてはいけなかったのでしょうか?

 

僕は今年の3月まで、都内の総合病院で看護助手として働いていました。

その際に実際の「医療現場」をこの目で見て、驚いた事のひとつに「医師の労働時間」もあります。

今日はその辺について医療現場のリアルを語ります。

doctors

病院での驚くべき医師の労働環境

僕が看護助手として病院で働き始めて、驚いたことはたくさんあります。

その中でも印象深いのは「医師の労働時間」です。

僕は都内の総合病院で、派遣の夜勤専従看護助手として働いていました。

夜勤専従ですから、当然夜間が仕事時間になります。

 

具体的には17:00から翌朝の9:00が仕事時間でしたが、夜間帯には常に医師が病棟にいました。

僕の働く病棟は、内科の急性期で夜間に急変して亡くなる患者さんも少なくありません。

その為に医師がいるわけですが、この医師の数が実は数人しかいないわけです。

病院の夜勤というのは

  • 看護師
  • 看護助手
  • 医師

という基本的な人員配置をしているのが通常です。

「看護師」と「看護助手」は当然シフトによってその勤務が決まるわけですね。

常勤の看護師だったら、月に5回か6回ほど夜勤のシフトが組まれていました。

僕は「夜勤専従」という夜勤しかしないシフトでしたから、月に10回ほどは仕事をしていました。

そんな僕が夜勤をすると、当然看護師は毎回違う人に当たるわけです。

しかしそこにいる「医師」は

いつ行っても同じ医師

しかいませんでした。

つまり300床以上ある規模の病院の内科急性期の病棟の、夜間帯を診れる医師は2〜3人しかいなかったということです。

365日、その2、3人の医師は必ず病棟に夜間いました。

しかもその内のひとりは、今回ニュースになった医師と同じ

研修医

でした。

皆が知らない医師の本当の凄さ

本当にこの人達は、いったいいつ寝てるんだろう?

そう思わせるほど、病院で働く医師たちは本当に24時間働いています。

「主治医」

という言葉を聞いた事があると思います。

つまり患者さんにおける「担当」ですね。

患者さんが急変したり、亡くなったりした場合「主治医」は必ず病院にいなくてはいけません。

例え休みであっても、患者さんに異常があれば電話で呼び出されます。

勤務時間外も、まったく油断出来ない仕事。

それが「医師」なのです。

医者というと「高給取り」というイメージが強いのではないでしょうか?

実際の医療現場を見ると、医師がいかに激務なのかが分かります。

医師免許をもった人は、専門的な勉強を膨大な時間こなした専門家です。

時間値の収入が高くて当たり前ですよね。

さらに24時間休まず働いているわけですから、それなりの金額になるのが当たり前なんです。

僕は実際に病院で働く以前は「医者」という職業のイメージは「頭の良いひと」でした。

しかし実際の医療現場を見て「医師」に最も必要なのは「体力」と「精神力」だと言う事がわかりました。

医者の仕事は、本当に激務です。

頭が良いだけでは到底勤まりません。

実際の医者の問題点

一体なぜ、医師の仕事はこのような激務にならざるを得ないのでしょうか?

一番の理由は「医者不足」です。

日本では圧倒的に「医者」が足りていません。

しかし単純に医師免許取得のハードルを下げれば、医療レベルの低下に繋がります。

しかしこのまま限られた医師に負担をかけ続ければ、それはそれで医療レベルは低下していきます。

実際に僕が病院で働いていた時、夜間帯に病状が悪化した患者さんがいました。

担当看護師が、その時に当直医師に薬の処方を打診した所

「ごめん、眠すぎて頭が回らないから日勤の医師に頼んでくれる?」

と言われていました。

おそらく実際の医療現場を見た事が無い人は、想像出来ない光景でしょう。

その位現場の医師は消耗しています。

しかし日本はその問題だらけの医療を改善出来ずに、これからの超超高齢化社会を迎えようとしています。

考えただけでも、ゾッとする話しだと思いませんか?

医者はお金持ちだと思っている人へ

最近「貧困」をテーマにしたコンテンツがネットを含めて多くなっているような気がします。

「シングルマザーの貧困化」「若者の貧困化」

そんな人達は「医者」のような職業の人々を「高額取得者」としか見ていないような気がします。

「医者は金持ちでいいなー」

と言っているひとたちへ。

医者はなぜ高額な取得を得られるのでしょうか?

専門的な勉強を何年もし続けることはもちろん、病院の勤務医は24時間、365日働き続けています。

「医者」だから高給を稼いでいる訳では無く、努力と実際の労働時間の多さが高給を実現しているだけです。

もっと言えば、病院の勤務医の給料は驚くほど高いわけではありません。

多くの医師たちは、固定の病院で勤務しながらいくつかの病院を掛け持ちしています。

その結果、普通のサラリーマンよりは多くの給与を得ているに過ぎません。

現状の日本の医師不足は、一人の医師が掛け持ちしなくては成り立たないところまで来ているのです。

自殺をしてしまった研修医の女性

彼女は看護助手をしながら勉強し、医大に入って医者になった方だと言う事です。

彼女は、実際の医療現場の問題点を知らずに医者になったわけではないと思います。

そんな彼女でさえ、膨大な仕事量とプレッシャーに飲み込まれてしまったのだと思います。

問題は、日本の医療における「仕組み」だと思います。

しかしこの「仕組み」を変えて行くのは容易ではありません。

自殺してしまった彼女を含む、多くの医師たちの「マンパワー」だけで現在の日本の医療は成り立っています。

しかしこの現状も、来るべき超超高齢化社会で通用するのでしょうか?

嘆きながら彼女の様な現状の医療の「仕組み」の犠牲者を出し続けていかなくてはいけないのでしょうか?

「医療」とはそもそも人間を正常な状態に近づける為に必要なものです。

しかしそれを実現する為に、別な人間が命を落とす。

この大きな矛盾は、いつか解決できるのでしょうか?

まとめ

僕は自ら「介護福祉・医療」の現場で働いてみて、多くの疑問と矛盾を感じています。

しかしそれらをすぐに解決出来る解決策を論ずる事は、残念ながら今の僕には出来ません。

しかし日本では日々、医療従事者のマンパワーが日本の医療を支えています。

いまの僕はその中のひとりです。

ひとりでも多くの人が、医療の問題点に目を向けて自分の出来ることをしていく。

それ以外に日本の医療の未来はありません。

 

 

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