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エイベックス松浦社長の怒り|ブラック企業のレッテルは日本経済を滅ぼす

こんにちは。無職から派遣看護助手に転職した、ままるです。

エイベックスの松浦社長が自身のブログで、現在の労基署勧告に批判を投げかけました。

avex社長 労基署勧告に疑問 | 2016/12/23(金) 9:08 - Yahoo!ニュース

今年は「電通社員過労自殺」が大きな注目を浴び、企業での働き方に世間の目が集中した年でもありました。

【電通社員過労自殺】報道されない「本当の電通」の闇 - グッドノージョブ

僕は現在、派遣看護助手として総合病院に務めています。

完全なる「労働者」です。

それ以前は、自ら事業を起こし経営する「経営者」でした。

「ひとが働く」

という労働問題。

「労働者」と「経営者」を両方経験した僕が、この問題に関しての所見を書きます。

今日はそんなお話です。

laborer

エイベックス松浦勝人社長とは

言わずと知れた音楽エンターテイメント企業「avex」グループの創業社長です。

その松浦社長が同社が労働基準監督署から、是正勧告を受けたことで、自身のブログにこう綴っています。

 

 先 日労働基準監督署から是正勧告を受けた。このことに対しては現時点の決まりだからもちろん真摯に受け止め対応はしている。でも労働基準監督署は昔の法律の まま、今の働き方を無視する様な取り締まりを行っていると言わざるを得ない。例えば去年9ヶ月間で労働基準監督署が監督指導をした事業場8,500のうち 法令違反があると指摘された事業場はどのくらいあるか分かるだろうか。その数は6,500事業場にも及んで、75%以上が何かしらの違反とみなされている 状況。そもそも法律が現状と全く合っていないのではないか。

さらに言いたいのはこれだけの割合で何かしらの違反があると指摘される中で、是正勧告を受けたほぼ全ての企業の名前を世の中の人が知ることはないけど、ごく 一部の目立つ企業だけは何故か見せしめのような報道をされること。それも突然なんの前触れもなく。是正勧告を受けた企業は公表をされていないにも関わら ず、僕らは是正勧告を受けた直後に報道された。
しかも報道にはドンドン尾ひれがついて、是正勧告を受けたとはいえものすごく悪い企業の様な言われ方をする。(はっきり言って名誉毀損に当たると思う)
横並びの企業の労働状況がどうなっているかも関係なく、特定の企業だけが見せしめに合う。

僕らの仕事は自己実現や社会貢献みたいな目標を持って好きで働いている人が多い。だから本人は意識してなくても世の中から見ると忙しく働いている人がいるの は事実。だからこそ会社の中にすぐ利用できる病院を作ったり、定期的にメンタルチェックをしたり、時間に限らない社員の労働環境をそれなりに考えてきたつ もりだ。でも法律に違反していると言われればそれまで。僕らのやってきた事おかまいなしに一気にブラック企業扱いだ。

それぞれの業界にはそれぞれ特殊な事情がある。労働時間だけに縛られていたら為替のディーラーの人達は仕事にならなくなる。病院で働いている人は労働時間と 治療とどちらを優先するべきか。美容師の人達、学校の先生、、、自分の夢を持ってその業界に好きで入った人たちは好きで働いているのに仕事を切り上げて帰 らなければならないようなことになる。だいたい官公庁はどうだろう。労働基準監督署の仕事が好きで夢中になっている人がいるとして、結果違法残業していた ら笑えない。そんな事はないと信じたいが。

望まない長時間労働を抑制する事はもちろん大事だ。ただ、好きで仕事をやっている人に対しての労働時間だけの抑制は絶対に望まない。好きで仕事をやっている 人は仕事と遊びの境目なんてない。僕らの業界はそういう人の「夢中」から世の中を感動させるものが生まれる。それを否定して欲しくない。
だから時代に合わない労基法なんて早く改正してほしいし、そもそも今のキャンペーンは労基法の是正が遅れているにも関わらず、とりあえず場当たり的にやっつけちまえ的な不公平な是正勧告に見えてならない。

 

松浦勝人オフィシャルブログ「仕事は仕事で遊びは遊び」Powered by Ameba

 

松浦社長の意見には、元経営者である「経営者」目線からすると激しく同意です。

この記事でも書きましたが「働くこと」を例えると

「動物園の経営者」と「シマウマ」に分かれます。

【仕事】連休明けの憂鬱を治す3つの方法 - グッドノージョブ

単純に寝床と餌だけを求めるシマウマもいれば、シマウマという自分にプライドを持ち「世界一のシマウマになろう」と思っているひともいます。

松浦社長の意見は、現状の法律では夢を持った

「後者のシマウマ達のマインドを奪ってしまうよ」

ということですね。

実際のエイベックスにいってみた

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僕は以前、自分の会社の仕事としてavexと関わっていました。

avexは現在、青山にある社屋を大改装中で、借りオフィスとして六本木一丁目駅直結のタワービル「泉タワー」にその居を構えます。

借りオフィスとは言え、複数階にまたがるオフィス環境は圧巻で、夜になると東京の夜景が一望出来る最高のシチュエーションです。

僕の出会ったavex社員達は皆、オシャレで明るく、自分の仕事にプライドを持って働いている人達ばかりでした。

現在の音楽業界は、派手な見た目と裏腹に売上減少に歯止めが掛からず、困窮している会社が多いのが現実です。

しかしavexは、既存の業界概念に縛られること無く、常に新しい発想と柔軟な行動力で、過去最高益をたたき出し続ける優良企業です。

そこで全力を出し切れる環境は、働く社員にとっては素晴らしいものだと思います。

一言で言うとavexは売れている会社です。

売れている会社であるには、その理由が必ずあります。

オフィス環境や福利厚生を含めて、社員が全力疾走できる環境もその要因のひとつです。

それらを整備し続けて来たのは、間違いなく松浦社長の手腕です。

長期に渡って作り上げて来たものが「法律」というしかも、ほぼバージョンアップしないような定規で一瞬にして測られることが、いかに納得出来ないものか。

松浦社長の怒りには、共感出来ることばかりです。

生き残れる会社はあるのか

日本にある全ての企業が、労働基準法に準じて一日8時間、週に40時間だけしか労働者を雇えず、さらに残業代金として1.25倍の賃金を100%支払ったとしたらどうなるでしょう?

間違いなく日本経済は破綻します。

それでも「法律だから」の一言で、企業は遵守していかなくてはいけないのでしょうか?

企業経営には、表から見ていては見えにくい様々なコストが掛かります。

単純に社員の給料だけ見てもそうです。

額面30万円の給料を社員に支払う場合、社会保険等を考えると企業が支払うべき金額はその1.5倍近くになります。

さらに残業代を100%支払い、内部保留をして投資を回収し、利益を残せる会社がいったいいくつあるのでしょうか?

多様化した現代、ただでさえどの業界でも売上は厳しい。

そんな時代になって、益々労働問題が窮屈になってきています。

これでは特に中小企業では、やりようがありません。

しかし、これは時代の流れと言っても良い、今後変わらないベクトルです。

この大きな時代の流れは、僕が会社経営を辞めた理由のひとつでもあるのです。

残業問題の答えはどこにあるのか

ではこの残業問題、答えはどこにあるのでしょうか?

この問題の難しさは「人間が働く」という根本にあります。

人間は当然ながら、それぞれ別の生き物です。

機械のように一定ではありません。

背も違えば年齢も性別も、生きて来た環境も仕事に対する思いも、ひとそれぞれ全く違います。

たとえば、A地点からB地点に重さ10キロの石を運ぶ仕事があったとします。

鈴木さんは一個の石を運ぶのに10分、山田さんは30分掛かります。

そうなると8時間で

鈴木さん=48個

山田さん=16個

事業計画上、ひとり一日40個運ばなくては、納期に間に合わない計算だと二人合わせても16個の石が足りません。

そうなると企業は、残業代を払って残りの16個の埋め合わせをしなくてはいけませんね。

さらに鈴木さんは自分の1/3しか仕事が出来ない山田さんと、同じ給料だとしたら納得できるでしょうか?

鈴木さんは、自分の会社をブラック企業と呼ぶ可能性もありますね。

ふて腐れてやる気がなくなり、次の日から鈴木さんも8時間で16個しか運ばなくなるかも知れません。

極端な例ですが、能力や気持ちによってひとの生産性は大きく変動します。

それを正確に計り、見合った給料を出すのは本当に限られた職種で無ければ不可能なのです。

シマウマが動物園を選ぶしか無い

労働問題の解決は、もちろん企業側の努力も必要です。

しかしどこまでいっても、万人を納得させる労働環境など作ることは出来ません。

そうであれば、労働者が自らの能力や気持ちに一番合う形の労働環境を選んで行くしか無いのです。

自分が納得出来れば、それは「良い労働環境」です。

「良い労働環境」とは画一的なものではなく、ひとそれぞれにあるはずです。

現在では正社員という働き方の他にも「派遣」という働き方もあります。

「世間一般の当たり前」

が正社員であったとしても、その働き方が万人に向いているとは限りません。

シマウマであるならば、自分に一番合った動物園を選ぶことこそ、幸せになる近道なのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

給料未払いや、残業代未支給のブラック企業を良しとしている訳ではありません。

それを無くす為に、法的な指導を入れて行く必要はもちろんあると思います。

ですが、そのスタンスも度が過ぎたり矛先を間違えると、日本全体の大きなダメージになりかねない、という話です。

労働者側から言えば「自分にあった労働環境を選ぶ努力」を怠らないことです。

自分で努力もしないくせに、文句ばかり言うのは出来ないひとの象徴ですからね。